2022.11.21

福岡にUターンして地域を盛り上げる新聞社を立ち上げたComunion

福岡にUターンして地域を盛り上げる新聞社を立ち上げたComunion
Comunionは福岡県宗像市出身の中村昌史さんが地元を活性化させるための事業を展開しています。 地元愛に溢れる人がいる中で起業を決断した中村さんは、どのような経緯で起業し苦労を乗り越えてきたのかをお聞きしました。 地域貢献を図る方にはお手本となる企業の一つなので、ぜひ読み進めてみてください。

Comunionでは、どのような事業をされていますか?

現在Comunionでは、ローカルメディア『宗像経済新聞』を運営しています。
宗像経済新聞を通して、毎日地域のハッピーなニュースを発信しています。

社会のどこに課題を感じてこの事業を始められたのですか?

地元宗像市の情報が宗像市外に届いていないことに課題を感じていました。
宗像市で育ってきて、宗像市には魅力がたくさんあることを自分は感じているのに、宗像市に関する情報が外部に発信されないと、人が集まってこないんです。

人が集まることで、地域はより活性化していきます。
宗像市の情報を発信していくことで宗像に興味を持つ人が増えると思い、この事業をスタートしました。

これまで具体的にどのような活動をされてきましたか?

大きく3つ、①宗像経済新聞②地域企業との対話③行政との対話を行ってきました。

まず①宗像経済新聞についてですが、宗像市のハッピーなニュースを外部に届け、宗像市に興味を持ってもらうため、地域住民の方から情報を収集しています。
その中で住民と対話できることも楽しみの1つです。

次に②地域企業との対話についてですが、地域に根ざした事業者さんそれぞれが抱える課題を聞いて回っています。
その上で課題解決のサポートをさせていただいています。

最後に③行政との対話についてですが、宗像市が今後どのような街づくりをしていくのかをヒアリングしています。
対話を重ねていくことでComunionとして出来ることをご理解いただき、私から行政に提案をさせていただくこともあります。

このように、住民、企業、行政の3者と対話しながら、それぞれの関係を滑らかにつなぐことがComunionの役割だと考えています。

中村様はもともと何をされていた方ですか?

大学卒業後にカナダのバンクーバーに行きました。
もともとシリコンバレーで起業したかったのですが、シリコンバレーは生活費が高いこともあり、まずは英語を勉強しながら生活費を貯めるためカナダへ行きました。

最初の方は語学学校に通いながら英語の勉強をしていたのですが、9ヶ月たった頃に現地でカフェを始めました。日本人と外国人が集まる英会話カフェです。
この英会話カフェがきっかけで、ある日カナダにあった韓国の企業から「留学カウンセラーにならないか?」とオファーを受けたんです。それからは3ヶ月間、留学カウンセラーとして活動しました。

このような活動を通じて資金と英語力を身につけたことで、最終的にアメリカをバックパッカーで1ヶ月間、旅をすることもできました。

日本に帰国した後は、同窓会代行サービスの会社で3年間働き、2016年8月に「株式会社青い鳥」という親孝行事業を行う会社を設立しました。

Studioとの出会いは2019年、横浜の飲み屋街でのことです。StudioのCEOである澤田さんと出会い、会話する中でお互いの考えに共感しました。
しかしこれだけでは終わらず数日後、都内のコワーキングスペースでたまたま再会したのです。そこで色々と話をする中で、地元宗像市を盛り上げたいという想いに共感していただいて、私が宗像市で起業し、Studioにサポートしてもらうという話になりました。

特に大変だった出来事を教えてください!

一番大変だったのは、なかなか注力する事業が見つからなかったことです。
実はComunionを起業した当初は、宗像経済新聞の運営ではなく、「地域のコミュニティビルダーを作る」プログラムを開発していました。

ですが創業メンバーで現地に居るのは私だけで、既に起業していた青い鳥の事業と同時並行して進めていくのは時間的制限があるので非常に難しかったです。
Comunion設立当初は事業計画すらなかったので仕方なかったのですが、この状況を打開するのに半年費やしました。

そのような苦労をどのように乗り越えられたのですか?

オフラインで飲んだことですね。
Studio含めComunionに関係するメンバーを博多に集結させました。そこでオフラインで飲んでいると、メンバーから経済新聞の話題が出てきたのです。
それがどんどん膨らみ、飲み会から約4ヶ月後にリリースさせました。

今ではComunionのメイン事業となっているので、オフラインで直接話すのは大事だと思います。

たくさんの苦労を乗り越えられてきた現在、活動においてどのようなことが楽しいですか?

地域の方々と仲良くなれることです。
私自身友達を作ることが好きなので、住民、企業、行政に関わらずお互いのことを話せる関係を築けている今はとても楽しいです。

宗像経済新聞が主催となり定期的に「焚き火編集室」というコミュニケーションの場を設けていて、取材を通じて仲良くなった人と焚き火を囲みながら今後やりたいことを話し合うのは楽しいですね。また、ただ楽しいだけではなくて、宗像の情報がいち早く手に入ることもメリットです。
「どういうお店がオープンする」とか、「これからどういう町になっていくか」といった情報を先取りできるので、宗像が発展する未来を想像することもできます。

しかし、これを縁もゆかりもない他の地域でもコミットできるかというと難しいと思います。宗像でアクティブに活動できるのは、地元だからです。地元への愛着が私の活動の根源にあるような気がします。

―最後に、Comunionにかける想いをお聞かせくださいー

行政と企業と住民が三位一体となって事業を作っていくロールモデルにしたいと思っています。この三者が協力しないとどうしても地域が盛り上がらないと、ここ数年の活動を通して感じました。
それぞれの地域には、その地域を盛り上げようとしている私のような方々がいらっしゃるはずです。
その方々が真似できるように、まずは宗像市で、Comunionという会社で、三者連携の成功例を作りたいと思っています。

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